通っているライター講座にて、おすすめスポット紹介を書くことになりました。
実際に私が好きで時々利用する「国立新美術館」について書いた文章を披露しておきます。
【タイトル】美術館は、行くだけでいい
展示品を見に行くのではなく、カフェ感覚で利用できる美術館
地下鉄千代田線、乃木坂駅から直結した場所に“国立新美術館”はあります。
その距離150mにも及ぶ、うねうねしたガラスのカーテンウォールから
差し込む陽の光が、朝・昼・夕と時間により変化する・・・
都会の一等地ながら、緑の樹々に囲まれたそこは、まさに森の中の美術館
と呼ぶにふさわしい空間です。
国立新美術館は、解放された美術館というコンセプトのもと、開館時間中は誰もが自由にロビーに出入りできます。
乃木坂駅と六本木の街をつなぐ近道として、通り抜けで利用する人も多いよう。
私のおすすめの利用法は、各所に設置されたデザイナーズチェアの座り心地を味わいつつ、本を読んだり作業をしたりです。
訪れる時間により、入り込む光の表情を楽しめて、近未来的な建物なのに
まるで自然の中にいるように感じられるから不思議です。
建物は建築家、黒川紀章氏と日本設計が手がけ2007年に開館しました。
黒川紀章氏というと、建物のファサード等に円錐形をよく使うのですが、今回もご多分に漏れず円錐形が多様されています。その円錐形と馴染むように正面のガラスがうねうねと波打っています。それが、単にガラス越しに光を照射させるのではなく、湾曲することで建築的に光を操る効果もたらせています。
喉が渇いたら、1階のカフェで軽食とともに休憩しましょう。また、2階3階には本格的なレストランやティーサロンがあります。
2階3階のレストラン、サロンは外の緑の風景を楽しめるベストな状態にしたいとの目的でその場所に設置されていますが、ここにも設計者のアイデアが見受けられます。
この建物を近未来的に見せてくれる仕掛けの一つである大きな二つの逆さ円錐形のステージの上に、レストラン・サロンはあります。逆さの円錐形をステージにすることで、レストラン・サロンの面積を確保しつつ、1階部分の面積減を少なくし、メインロビーの吹き抜けに感じられる空間のダイナミズムを確保しています。
このような建築的な情報を楽しめるCONICという美術館のオリジナルアプリがあります。
CONICには建築ツアースタンダードコースということで45分程で美術館の建築要素を体感できるセルフツアーが用意されています。
作業に行き詰まったり、気分転換したい時にはそんな楽しみ方もお勧めです。
国立新美術館は、特に展示品目的ではなくカフェ感覚で訪れることの出来る
美術館です。
大空間ならではの音の響きや光の照射を体感出来、空間の豊かさという贅沢を味わいたくて、何度も通いたくなる場所です。